各種検査
各種検査
MRI(磁気共鳴画像診断:Magnetic Resonance Imaging)は、強力な磁石と電波を用いて体内の臓器や血管などの断層画像を描出する検査で、様々な病巣を発見することができ、病気の早期発見・診断に有効とされています。
検査は仰向けに寝て、トンネルのような筒の中に入って受けていただきます。検査時間は部位により異なりますが20~40分程度ですが、当院では人工知能を搭載したMRIを用いて時間短縮(5-10分)が可能です。ラジオと同じような電波と磁石による磁場が体内の水素原子のみを共鳴させ、その様子を断層画像化することで体内の水分や血流の状態を詳細に確認することができます。
X線を使わず磁場を利用しているため被ばくの心配がなく、人体への悪影響や痛みなどの苦痛もありません。妊娠中の方でも安定期であれば検査を受けていただくことができます。血管や脳、脊椎、四肢、関節などの状態の把握に有用で、とくに頭部では脳血管の状態や腫瘍の有無、脳組織の萎縮を調べるために欠かせない検査となっています。ただし、MRI検査では磁力に金属が反応するため、体内に金属(ペースメーカー、金属製の義歯、微量の金属を含む刺青など)がある場合には検査ができないことがあります。また、機械のトンネル内は狭く閉所恐怖症の方は工夫が必要なこともあります。そのため、事前の確認やご相談が不可欠です。
MRIとMRAは検査装置や方法は同じですが、撮影した画像の処理方法が異なります。MRAは、磁場による血流の信号の画像化によって、血管の状態を詳しく描出できます。脳動脈瘤や脳動脈の狭窄・閉塞、脳血管奇形などが検出できます。くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤のスクリーニング検査として有用で、破裂する前にカテーテル治療などを行うことで、重篤なくも膜下出血の予防が可能になります。
頸部MRAは頸部(くび部分)の血管の状態を調べる検査です。頸部には脳やくびの組織に血液を送る動脈が複数通っています。脳血管疾患では頸部の血管が狭くなる傾向があるため、その動脈や動脈分岐部の状態を確認することが重要です。
MRIは磁気を利用するため、下記の内容に当てはまる方は受診いただけない場合があります。事前にご相談ください。
脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、脳動脈瘤、くも膜下出血、水頭症、認知症、パーキンソン病、外傷、未破裂椎骨動脈解離、脳動静脈奇形、もやもや病など
頸椎症、脊柱管狭窄症、胸椎・腰椎のヘルニア、脊髄奇形、脊髄腫瘍、骨軟部腫瘍、関節の靭帯損傷、半月板損傷など
肝・胆・膵の病変など
腎臓・尿管・膀胱の異常、前立腺がんなど
子宮・卵巣の異常など
眼球内部や眼窩の腫瘍など
咽頭・喉頭の異常、頭頸部がん、聴神経腫瘍など
CT(コンピューター断層撮影:Computed Tomography)は、X線を利用して体の断面を画像化し、血管や臓器、骨の情報を得る検査です。頭蓋骨の状態も鮮明に描出することができます。検査時間は30秒程度です。打撲などの外傷や急性期病変(とくに脳出血)を疑う場合には短時間で結果がわかるCT検査が有用です。
頭部CT検査は、装置の円筒形の部分に頭を入れて受けていただきます。円筒から頭の周りを一周するようにX線が照射され、頭の中を輪切りにしたような断面画像が得られます。頭蓋骨骨折や外傷性頭蓋内出血の有無、脳出血、くも膜下出血などを迅速に診断することが可能です。
下記の内容に当てはまる方は受診いただけない場合があります。事前にご相談ください。
頸動脈は脳へ血液を送る重要な動脈ですが、動脈硬化が起こりやすいところでもあります。頸動脈の動脈硬化が進んでくると、血管の壁が厚くなったり、プラークや血栓などにより血管が細くなったりします。この状態を放っておくと脳卒中を引き起こす恐れがあります。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある方は動脈硬化を生じやすいため、とくに注意が必要です。
頸動脈エコーは頸動脈の血管を詳しく見る検査です。動脈硬化による狭窄部分の発見だけでなく、狭窄の程度や形状、狭窄部分を通過する血液の速度(流速)、プラークの性状なども判定できます。頸部にプローブ(探触子)という器具をあてて行う検査で、X線による被ばくの心配もなく身体に負担の少ない方法です。検査時間は20~30分でMRIやCTと同日に行うことができます。
骨密度測定は、骨の強度や密度を評価するための検査で、骨粗しょう症(こつそしょうしょう)や将来の骨折リスクを判断するために行われます。骨密度が低下すると骨がもろくなり、転倒などの軽い衝撃でも骨折しやすくなるため、特に高齢者や閉経後の女性にとって重要です。
血液検査は、血液の成分を分析することで、体の状態を総合的に評価する検査です。病気の早期発見、診断、経過観察、治療効果の確認、健康管理などに幅広く使われます。血液には、体内のさまざまな情報が含まれており、炎症や感染症、栄養状態、内臓機能などを調べることが可能です。
当院では下記の検査において、院内検査により当日中に結果をご説明させていただきます。
血液は細胞成分と血漿成分からなっていて、その細胞は赤血球、白血球、血小板の三種類です。この三種類の細胞数とヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などを自動分析器で測定することを血球算定といいます。血液中に赤血球がどれくらいあるのかを調べる検査です。
生化学検査とは、採血した血液や尿などのさまざまな成分を分析し、からだに異常がないか、どの部分の疾患なのか、炎症があるのか、栄養状態はどうか、などを推測する検査です。患者さんが服用されている薬(喘息治療薬、抗てんかん薬、抗菌薬、免疫抑制剤など)の血液中濃度を測定することで、治療方針の決定にも役立てられています。
過去に2か月程度の血液中の糖分の状態を評価する指標です。
血糖値は血液検査をしたその時の血液中の糖分の状態しか評価できないのに対して、HbA1cは血液検査をする2か月程度前からの血糖の状態が評価できます。
甲状腺の血液検査は、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどの濃度に異常がないかを調べるために行われます。甲状腺以外の原因疾患を調べることもできます。
検査項目は複数あり、触診や超音波検査なども踏まえて診断します。